
日本人ははるか縄文時代の昔から暮らしの中で漆を使ってきました。漆を塗ると美しく、そのものが丈夫で長持ちすることを知っていたからです。その後、長い年月をかけて独自の技術をあみだし芸術性の高いさまざまな工芸品をつくってきました。
特に岩手県には世界に誇る漆工芸品の傑作「平泉中尊寺の金色堂」があります。今から900年余り前に建造されたこの寺院内部は他に類を見ない高度な螺鈿、漆工芸技術で装飾されています。岩手県は昔から漆の産地であり、その量とともに品質の良い漆が生産されることから、国内外の重要な漆工芸品の制作や文化財の修復に大事に扱われています。日本は世界に誇る漆の国、そして岩手は漆文化の県なのです。
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郷土の画家・橋本八百二氏が「民衆の生活と美の探究」を理念に開館した、盛岡橋本美術館が惜しまれながら閉館した後に、東京目黒雅叙園の美術品を修復した漆芸美術家・全
龍福(チョン・ヨンボク)氏と同人が主宰する漆芸美術研究会「japan21いわて」が活用を申し出ました。地域に伝承される自然・歴史・人情など「岩手の魂」を新たに吹き込み、多くの方々のお力添えによって漆芸作品の展示と制作の美術館として蘇りました。
館内には、全龍福が精魂込めて制作した世界最大の漆芸絵画「岩手の魂」(縦2.42m、横18m)をはじめ、多数の漆芸作品を順次展示。このほか「japan21いわて」会員の作品展示室、国内外の美術工芸家の作品を展示する交流展示室、伝統工芸美術品展示室。さらに漆塗りなどが体験できる制作工房など、漆の美術館として世界に誇れる内容となっています。
当館では地域文化の財産・南部曲り家を旧盛岡橋本美術館時代そのままに保存し、家屋や家財道具、民具を展示しています。今では見ることがまれなこの地域独特の貴重な建築様式と生活様式を紹介しています。
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